【レコードとわたし】斉藤由貴 - Axia

‘85年オリジナル。高校2年生になったばかりの春の遠足の帰り、クラス替えがないのであと2年、この環境ですごすなだなあ、なんて憂鬱になってしまって、吉祥寺をフラフラ歩いてるうち、ふと入った中古レコード屋のジョージで見つけたこれを、すがるような気分で買ったのだ。

人間、弱ってる時にはアイドルですな。映画版のモテキでもそんな事を言っとった。

名曲が多くて、特に「シャボン色の夏」がお気に入りだったけど、このアルバムと言えばやっぱり「Axia かなしい小鳥」。何度聴いても大サビで心を持っていかれてしまう。いかん。

銀色夏生斉藤由貴をテレビCMで見て、この曲を一気に作って是非彼女に歌って欲しいって事務所に売り込んだんだそうだ。多分時期的に「青春という名のラーメン」のCMだと思うけど、デビューしたばかりの10代の女の子のために作るような曲じゃないよ、普通。

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でも、後の斉藤由貴のスキャンダル諸々と、にも関わらずそれがキャリアに全く影響しない彼女を思うに、銀色夏生、慧眼と言わざるを得ない。あのCM、確かに艶かしさはあったけど。Go サインを出した事務所もすごいと思う。

銀色夏生太田裕美の「満月の夜 君んちへ行ったよ」が作詞デビューらしいんだけど、これもすごい攻めた曲だ。太田裕美もその攻めの姿勢によく応えて、唱法もこれまでと大きく変えて、楽しそうに歌っている。

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なんて知った風なこと書いてるけど、この曲、クリス松村のラジオ番組で最近知ったばかり。誰だか全然わからなかったけど、とにかく曲がよくて耳を持っていかれて。後からの曲紹介で歌い手がわかってひっくり返った次第。

シティポップ流行の昨今だけど、そんな中、数ある太田裕美の曲の中でこれを選曲するクリス松村もすごいわ。

ピース。

(2022/4/13)