【レコードとわたし】Pat Metheny Group – Travels

西独盤’83年オリジナル。ギターレコーズ通販にて。

ターレコーズっていうギター中心の音楽専門の中古レコード屋があって、そこでメセニー特集をやってたので見てみたら、探してたこれが見つかった。US盤は結構見かけるんだけど、西独はなかなか見ない。

メセニーはこれを一番よく聴いたんじゃないかな。既発曲は当時のベストと言っていいし、未発のものもみんないい曲で、結果最高のベスト盤にもなってる。

既発曲のギターソロは、スタジオ盤だと置きに行ってる感が否めないのが、こちらではなりふり構わずでテンション高くて最高。かつゲフィン時代ほどえらいことにはなってなくて(お馴染みの弦跳びフレーズとかこの頃はまだやってない)、よく歌っててこの頃が一番好きだ。

フェイズ・ダンスのソロは聴きすぎて結構なところまで一緒に歌える(弾ける、じゃないのよ・・・)。

昔のジャズライフ上での布川俊樹・矢堀孝一師弟コンビ対談で、メセニーは最初はアレンジ面で素晴らしかったけどギターはそうでもなかった、でも途中からすごく上手くなった、相当練習したんではないかてなことを言っていて、このアルバムとスタジオ盤を比べるととても納得する。

アナログシンセというものを意識したのはこのアルバムからだったな。ミニムーグかな、ぶっとい単音フレーズとやわらかいポルタメントに心を持っていかれてしまった。スタジオ盤でも使ってるけど、やっぱりライブの方が心にひっかかる。

で、このアナログ盤だけど、針を落として、そのハイファイ度合いにびっくり。部屋の空気が変わった。ビッキビキにクリアってわけでなくて、もっとぬるっとした感じ。何度もCDで聴いてきたけど、この気分は初めてだった。

マンフレート・アイヒャー、すごいな。

あと、アナログだとひっくり返す手間が、いい感じで一区切りになって、それもよかった。CDで聴き倒した盤なので、すごく新鮮。

これでメセニーのアナログで欲しいのは揃ったかなー。ブライトサイズライフとレターフロムホームがあったら買っちゃうかも知れないけど、まあ気分は落ち着いた。アメリカンガレージは、まあ西独盤が格安で出てたら買うかな。

ピース。

(2024-01-15)

【レコードとわたし】Frank Zappa – The Grand Wazoo

US盤’72年オリジナル。ギターレコーズ通販にて。

ワカジャワカはオリジナルを何度か見かけたけど、これは見たことない。通販サイトのDMで出てたのを発見、思ったより安かったのでポチった。インナースリーブがなかったけど、まあよい。

本当は The Mothers 名義なんだけど、そこらへんこだわると後から自分の記事を検索しにくいので、もうザッパ名義で統一する。

ザッパの中でもかなり回数聴いたんじゃないかな、これは。ザッパにはまった当時、ちょうどルケーチでホーンセクションとしての活動が真っ盛りだったので、ホーン多めの編成の曲をよく聴いてたんだった。

ザッパに限らず、ドン・エリスとか、ミンガスでも Let My Children… とか。まあルケーチはどっちかといえば、仲良しのみんなでガチャガチャやってる感じが初期マザーズぽかったけど。ルケーチをマザーズに例えてくれたの、確かギューンのスハラさんだったかな。嬉しかったな。

僕は21世紀過ぎてからサッパをちゃんと聴くようになった大遅刻野郎なので、まずは A-1 と A-2 が入れ替わった曲順にびっくりする。いや、前から知ってはいたんだけど、実際聴くと、初っ端から盛り上がらないこの曲順に改めて驚いた。

でも何度か聴くと、A-1 が For Calvin なのも、会場に客入れする雰囲気があって、なんだかいい気がしてきた。その後 The Grand Wazooで一気に盛り上がって A面が終了と、区切りがいいのも原因かも知れない。CDだとAB面の区切りがないから、曲順を入れ替えたんじゃないかと思えてきた。

調べると、’94年国内盤再発は旧来の曲順で、黄色い帯の’95年再発から入れ替わったらしい。ザッパは’93年に亡くなってるので、この改変が本人の意思によるものかどうかはわからない。

遺言があったのかも知れない。ゲイル(奥さん)の趣味という可能性もある。出る出ると言われつつずっと出ないままだったロキシーライブの映像が、ゲイルが亡くなった途端にサクッと発売された事があって、彼女の発言力はかなり大きかったのではないかと思う。

まあ調べればすぐに曲順入れ替えの意図は出てくるんだろうけど、あえてググらないでいるのも現代の趣味だ。

内容自体は、聴き馴染んでたのとさほど変わらないけど、やっぱりドラムの質感がいいと思った。あと’95年再発CDよりコンプ感が少ない気がする。

一時期ルケーチのメンバーだったNH氏が、Eat That Question のコーダでのホーンがワンノートでぱぱぱぱーって吹き続ける所を聴いて、1音なのか、これはすごい、すごい、って唸ってたのを思い出した。

これは勇気がないと出来ない事らしい。アレンジやる人は聴く所が違うなあと思ったな。懐かしい。

ピース。

(2024-01-11)

【レコードとわたし】フリーボ – Smoking Blues

2023年アナログ再発。新宿ユニオンJ-POPストアにて。

2024年の最初の買い物。レコードに限らず、あらゆるもの含めて、お買い物初め。

思えばこのアナログレコード探訪、ほぼ2年前のフリーボのすきまからの再発から始まったのであった。ぐるっと一回りした感。

青春の思い出みたいなものは人それぞれあると思うけど、大概は10代の頃、そうでなくても学生時代の頃の話になると思う。今回久しぶりにこれを聴いて思った。自分の一番の青春期は20代後半だったんだなあ。

イントロのどすこいギター一発で、もう心が持って行かれてしまった。あの頃の下北沢クラブQueあたりに飛んでいった。

といいつつ記憶ってのはいい加減なもんで、僕はずっとこのアルバム、「くり返す」が一番最後だと思ってた。最後に聴いてからそんな経ってないと思うんだけど。

なんだろな、「くり返す」の大団円感が大好きなんだよな。それで記憶違いしてたかな。Harvest における Words 的な。だからB面にひっくり返していきなり音が飛び出して来て、なんか寂しさがあった。

でも大好きな曲なので、B-1という最外周の、音質的に特等席にいるのは、それはそれで嬉しいことだ。

「曲がり角」は当時から引っかかるものがあった。フリーボの曲って、Bメロでグッと音程があがって盛り上がる事が多くて、おお来た来た待ってましたって感じがして、それが吉田節ってことなんだろうけど、「曲がり角」はBメロですっと音程が落ちて、最初聴いた時に、裏をかかれた気分になって、すごい面白かった。

ギターも石垣くんにしてはヘロヘロな感じで、ピッチがあやしくてそれがエモーショナルでとてもいい。ピッキングハーモニクスも最高だ。

Court And Spark を聴いてたら突然飛び出してきた Raised On Robbery、みたいな、いい違和感がある。

アンプが他の曲と違うのかなあ。この曲だけすごい湿気が多いんだよ。音がしめっててわずかにグイッとピッチが外れて聴こえる感じ。真空管ぽさが強い。電気信号がいい塩梅でちゃんとしてない感じ。

で、このアナログ盤。思ったより音がぼんやりしてるなーと思ったけど、試しにいつもの中古レコードと同じように洗ってみたら、シャッキリした気がする。まあプラシーボも趣味の世界では大事だ。

しかし、ギター、いい音だなあ。ジェイ・ホークスとか、ヴィクトリア・ウィリアムスとか、あの頃のあれこれがどんどん記憶の底から湧いて出てくる。

それらとフリーボが音楽的に似てるってわけではないんだけど。キャンドヒートとジェファーソンは全然似てないけど、同じ空気感があるじゃないですか。そんな感じ。

そう考えると、’90年代ってのは、あの頃確かにあったんだな。当時はわからなかった。

ピース。

(2024-01-10)

追記

石垣くんによると、アンプは全編フェンダーの'90年代のアンプの方のTone Master だそうな。今はデジタルで真空管をエミュレートした同じ名前のアンプが出てるので紛らわしいけど、'90年代に出たこっちは本物の真空管で、ピギーバック(フェンダーのアンプはスタックって言葉よりこっちの方が気分だ)のもの。

「曲がり角」は慣れないサムピックで弾いたんだそうな。それでか!右手が変わるだけでここまで出音に違いが出るかあ・・・。

サムピックでピッキングハーモニクスってのもすごい。この話聞いてから試してみてるけど、もう、無理。うまく指が弦に触れない。どうやってるんだろう・・・。

【レコードとわたし】The Pentangle - The Pentangle

UK盤’68年オリジナル。ユニオン新宿ロックレコードストアにて。

オリジナル盤は割りと見かけるけど、レーベルに「Shel Talmy Production」のクレジットがない1st プレスは、話には聞いてたけど実際に見るのは初めて。

買い物するつもりじゃなかったんだけど、ふと棚を眺めたら見つけてしまい、発作的にレジに持っていってしまった。年末で切れるクーポンもあったし。

安くはないけど思ったよりは高くなかった。盤の状態もいい。ジャケは結構ボロボロだけど、それでこの値段だったのかな。

実際に再生するとこれまた大迫力だ。アナログで買ってよかった。

ジャッキー・マクシーの声が初々しい。ジャケのシルエット、ミニスカートだし。どっちかというと彼女は民族衣装っぽい長いスカートのイメージだから、余計に初々しく感じるのかも知れない。

これで再結成以降を除くペンタングルは全部オリジナルで揃った。超嬉しい。

アナログレコードを買い始めて、しみじみアナログのよさを感じたのは、キース・ジャレットアメリカン・カルテットと、ペンタングルだった。

2023年最後の買い物がこれでよかった。

ピース。

(2024-01-08)

【レコードとわたし】Charles Mingus – Cumbia & Jazz Fusion

US盤'78年オリジナル。レコードシティ通販にて。

'70年代アトランティックミンガスは楽しいな。中でもこれは人気盤らしく、出回る数がダントツ。

でも、ミンガス聴くといつも感じる燃える感じはあまりないかなー。もうちょっと回数聴いたら変わるかも知れない。

ピース。

(2024-01-08)

【レコードとわたし】友部正人 - にんじん

‘73年オリジナル。レコードシティ通販にて。安かった。

オビはあるけど歌詞やライナーなどインサートがない。安いはずだと思ったら、どうも元々ないらしい。

詩人と名高い人のレコードで意外だ。歌詞は耳から入るだけでわかるという自信なのだろうか。

実際、聴くだけで言葉がどんどん頭に入って来る。まあ、さんざん聴き倒したからってのが大きいんだろうけど、でも歌声の力も感じる。

「一本道」はジンタでカバーして、音源も残っているが、これは友部正人ファンであるベースの人の意向だった。

「一本道」は正直僕にはちょっとベタに思えて、カバーするなら「長崎慕情」がいいなと思ってた。詞も曲も、このアルバムでは一番好きだった。

僕が「長崎慕情」が好きだとベースの人に言ったら、「あれは要するに Love Minus Zero だけどね」みたいな事を言われた思い出。

上を向いて歩こう」のカバーもベースの人の意向で、なんだかんだでベタが好きな人だった。衒いがないと言うか。

そう思うと、僕は衒ってナンボみたいな人生だ。衒うというか、真っ直ぐなのが恥ずかしくなってしまうんだな。難儀な事だよ。

ピース。

(2024-01-04)

【レコードとわたし】西岡恭蔵 - ディランにて

‘72年オリジナル。レコードシティ通販にて。

時々オリジナルという表記で、お馴染みのベルウッドマークに濃い緑のレーベルのものが出てるけど、それは2ndプレスで、この単純な松ぼっくりマークに薄緑のレーベルが1st プレス。なかなか見ないのを見つけてしまったので、一も二もなく買ってしまった。

‘89年の浪人中だったと思う。日本のフォークのコンピレーションCDが葛西図書館の視聴覚資料コーナーにあったので借りてきた。

銀色の地に寛さんや岡林などフォークシンガーの白黒写真がレイアウトされて、なんてこたない明朝体で書かれたフォーク云々のタイトル。ワゴンセールにだってなさそうな、純粋な資料用みたいな装丁だった。

そのCDの収録曲は、寛さんの誰を怨めばいいのでございましょうかやら、加川良の教訓Iやら、「お前もこっち来い」と言わんばかりの並び。頭をぶん殴られた気分だった。

その中でも恭蔵さんのプカプカは、初めて聴いてもう夢中になってしまった。すぐにアコギでコードを取って、ずっと歌ってた。

このコンピCDの他にも同じシリーズでライブ音源だけ集めたものも図書館にあって、それには寛さんの「教訓110番」というすごいタイトルの曲が入っていて、これまた超おもしろソングだったんだけど、それ以来聴けていない。小坂忠の「庭はぽかぽか」もこれで聴いて腰抜かしたんだなあ。

この2枚のCD、いつか入手したいと思っているけど、うーん。

で、「ディランにて」の話に戻るが、CD再発は’90年らしいので、結局アルバムで聴けたのは次の年だったんだな。すぐに聴けてたような気がしてた。

とにかく「ディランにて」は好きで好きで、何かと言えば「ひとりでーいきーるには〜」なんてよく口ずさんでた。肝心のプカプカ、B面まで待たされるんだけど、名曲揃いでまったく問題なしだ。

基本、アコギじゃかじゃかにベースとドラムだけで、普通だったらデモ音源みたく思えるはずなんだけど、これで完全に世界が完結してる。説得力が尋常じゃない。

「サーカスにはピエロが」、前述のコンピCDで、ディランIIバージョンを聴いた時は、そのアルバムタイトルにもなってる「きのうの思い出に別れをつげるんだもの」ってところが、僕もまだ若かったからか、どうにも甘くてくすぐったくて、正直苦手だった。でも、恭蔵版のそれは、まったく気になることなく、自然に耳に入って来て、自分でも驚いた。

あれもこれも結局、あの調子っぱずれなところもある歌声に、全部持っていかれてるんじゃないかと思う。隣で歌ってくれてるみたいだ。

アナログで改めて聴くと、ベースの音が超かっこいい!曲によってはクリス・スクワイアみたいでびっくり。CDじゃ全然そんな事思わなかった。

あと、ジャケがでかいと、メガネをかけた恭蔵さんらしい顔がちゃんと確認できるのも嬉しい。

恭蔵さんは、昔東京ボブディランのバックで弾いた時に共演して、その時に挨拶もしたので、さん付け。ミヤケンの同級生のお父さんだし。さすがにゾウさんとまでは呼べないけど。

目の前で見ると、とっても大きかったなあ。ギブソンのJ-200が普通のドレッドノートくらいに見えたもんだった。

ピース。

(2024-01-03)