【レコードとわたし】James Taylor – Sweet Baby James

US盤’70年リプレス。新宿ユニオンロックレコードストアにて。

市場ではこれも一応オリジナル扱いになってるが、本当の初盤はワーナーじゃなくて Seven Arts 盤。まだ実物を一回も見た事がない。出たらいくらになるんだろう。

流石にこのくらいの名盤ともなると、聴く前から存在は知っていた。買ったのは浪人中かな。買うのがやや遅れたのは、なんかジャケの顔が真面目そうでいやだったのと、自分のことスイートってすげえ自尊心だなって思ってたから。

スイートなのは同じ名前の甥っ子のジェームズ君のことだとライナーで知って、すまんかった・・・と勝手に謝罪したもんだった。

最初はピンと来なかった。ギターの音も、ニール・ヤングのマーチンのゴスっという派手でドンシャリな音と比べて、中低音に寄った地味な音がつまらなかった。

すごく良くできてるんだけど、スキがないと言うか、可愛げがないというか。マッドスライドスリムは素っ裸でそこが好きなんだけど、こっちはがっつり武装してる感じ。

でもまあジェイムズ・テイラーともなると一般教養だから、何度も繰り返し聴いたもんだった。浪人中の気だるい空気ともよく合ってたし。

その後、ドラッグ漬けから復活してこの音なんだとか、Fire And Rain の裏話などが耳に入ると、どんどん面白くなってきた。やっぱり極めてパーソナルな音世界なんだろうなと思う。

ギターの音も、これがギブソンJ-50なのだと知ると、途端にそのマーチンとは違う地味な音が魅力的に響いてきた。僕は権威主義者なので仕方がない。

あとはやっぱりJT(アルバムの方)かなあ。あれを分家のタハラさんに教わってからこっちに戻ると、俄然輝き出したのをよく覚えてる。

今回アナログで初めて聞いたけど、針を落としてすぐに飛び出してくるJ-50の低音弦がすごいでかい!びっくりした。

Fire And Rainの後ろでドローンのように鳴りっぱなしの低いストリングスなんて、今までほとんど耳に入ってなかった。チェロ?コントラバスかな?

格安だった(とはいえそんな安くはない)のでちょっと不安だったけど、大事に聴き倒すぞ。

ピース。

(2023-11-03)