【レコードとわたし】Karen Dalton – In My Own Time

‘22年ワールドワイド盤再発。新品。ユニオン新宿ロックレコードストアにて。ワールドワイド盤ってなに?

カラー盤って初めてなんだけど、これは Hi-Melt Silver というらしい。ほこりなど盤の状態がまったくわからん・・・。

最初にこの盤を知ったのは、マーブルシープ時代、照明担当の関口君からもらったカセットだった。90分テープに、A面に1st、B面に2ndが入ってた。僕があの界隈では珍しくアメリカンロック好きだったので、ならばこれを聴けって感じでくれた。

関口君はモダーンミュージックが出してたミニコミに寄稿するくらい音楽に詳しかった。他にも当時入手困難な音源を色々と教わったなあ。

一聴してその声のインパクトにやられたけど、やっぱり「In A Station」のギターに驚いた。普通は歌と歌の間にちょろっと弾くようなオブリガードを、歌い出し頭でいきなりぶつけてくる。それで歌の邪魔にならない。衝撃だったなあ。大袈裟でなく。

後日関口君にその旨報告したら、「そうか、ギターやってる人にはあれがいいギターってことなんだ」ってな事言われたのをよく覚えてる。まあ弾かない人からすると、地味ではある。確かに。

で、後から実際のレコジャケのクレジットを見て、ギターはエイモス・ギャレットだと知った。初めてのエイモス体験だった。

他にもギターのクレジットはあったけど、直感でこの曲のこの部分はエイモスだと思った。他のエイモス音源は聴いたことなかったけど、「名盤の影にエイモスあり」ってフレーズは知ってて、絶対これだって思った。

エイモスは浪人中に手に取った、ヴィレッジグリーンレーベルのカタログで名前を見て覚えてた。「ホーム・イン・マイ・シューズ」のところに「名盤の影にエイモスあり」とかなんとか書かれてて、それで強く印象に残ってたのだ。

初めて実際のレコードを見たのは、西新宿7丁目の端っこの方の中古レコード屋で、その店は入り口のところに椅子が並べてあって、コーヒーサーバーまで用意されていた。で、「彼氏がレコードに夢中になってる間はこちらでお休みください」みたいな貼り紙があった。

当時は、なんて気の利いた店なんだと思ったけど、ジェンダーバイアスかかりまくりですな。今のユニオン、がんがん掘りまくってる女性が多い。

で、その店に置いてあった In My Own Timeは、ザ・バンドの2ndみたいなデザインで、すこぶるかっこよかった。でも 6,000円もした。マーブル入ってしばらくしてからだから、'92年くらいかな。ちょっとその場では手が出なかった。

後日、モダーンミュージック店内で関口君とホワイトヘブン石原さんと話してた時に、その値段をいったら、二人とも口を揃えて、それは高い、高すぎるって言っていたから、その内もう少し買いやすい値段で見つけられるだろうって呑気に考えてた。

が、その後実物の盤を見ることなく、レコードを買う習慣もなくなってしまい、そして時は流れに流れて30年、この再発盤、新品で 5,830円である。

あの時 6,000円で買っておけばよかったよなあ・・・・。

以前サブスク音源の In A Station のギターのミックスが僕の記憶と違って音量が小さいって話をしたけど、やっぱり今回の50周年盤もギターの音が小さい。

オリジナル、聴いてみたいな。本当にミックスが違うんだろうか。僕が聴いてたカセットの音がおかしかったんだろうか。

ピース。

(2023-07-03)