【レコードとわたし】Grateful Dead ワーナー期ライブつめあわせ

Live Dead は 国内盤の’73年再発。よくわからないものを聴かされたって感じの桜井ユタカが苦労してライナーを書いている。

Grateful Dead (Skull And Roses) は、US盤再発を新品で。’83年かそこらへんのものらしい。A-1の Bertha がフェイドインで始まるのが、祭りに遅れちゃって急いで走って来た子供みたいな気持ちになって好き。と思ったら、最近サブスクで聴いたらフェイドインじゃなくてびっくり!オリジナルはフェイドインしないのかな。手持ちのLPには「Joe Sidore Mastering」とあるんだけど、この Sidore さんって人のしわざなのかな?

Europe ’72 は US盤 ’72年オリジナル。オリジナルだけど安かったんだよね。ブックレットしわしわ、中袋も底抜け、でも一応当時のものは全部揃ってる。ブックレットの写真みてデッドのライブを夢想したよ。

僕はガルシアのギターはギブソンのSGを使ってる頃が一番いいと思う。Live Dead、Skull And Roses までがそうかな。Europe ‘72だとストラトになる。ピックガードがかけてる奴。デッドレーベル以降はウルフになるんじゃないかな。低音弦がゴギゴギ言うようになる。

SGの時は音が太くて、ネック、ブリッジ、自在にピックアップ を切り替えて、ベンドもすごく変なカーブであがっていく。あがりきらなかったり、あがりすぎたり、浮遊感にあふれていてとても映像的だ。Berthaのソロの、始まって急に音が上がるところなんか、音外してるし普通だったらNGテイクだと思う。でもあれで持っていかれるんだよなー。

マイルスの自伝を読むと、彼がフィルモアとかに出てた頃、ロックの連中とくにスティーヴ・ミラーをクサしてるんだけど、ガルシアの事はずいぶん好意的に書いていた。Live Dead の Dark Star を聴いてると、ああそうだよなーって思う。まっことモードって感じ。ミクソリディアンの弾き方はガルシアで覚えた。

夜の音楽番組にチャーが出てて、アメリカの雑誌が発表したギタリストのランキングを紹介してたんだけど、ガルシアがジェフ・ベックより上だった。そしたらチャーがえらい怒って、そんなのあり得ないだろうとかなんとか。まあそうなりますわなあ。

でも今日 Dark Star を通してしみじみ聴いてて、20分超えの演奏でなんでこんなに飽きないんだろうって思うと、やっぱりベックの上でもいいけどなあ。少なくとも怒るほどのこっちゃないよ。

(2022/3/3)