【レコードとわたし】Jesse Ed Davis - Ululu

US盤’72年オリジナル。というかLP再発は一度もされてないんだねぇ。これはジェシを知ってからだいぶ後になって買った。’93年ごろじゃないかなー。スワンプものをあまり聴かなくなった頃に落穂拾いみたいに買ったので、そんなに聴かなかった。

だから名盤探検隊でCD再発された時も、なんか気分が冷めてたんだよなあ。でも今聴くととてもよい。でも低音でかすぎ。すごいなこれ。

高校3年の時。アルケミーから出たメスカリンドライブを聴いて感激して、もうすぐ受験だというのにラママに来た時に見に行った。もしかしたら受験終わってからかも知れない。とにかく、高3の3学期だった。あれが初めての「友達じゃない人が出るライブハウス」だったんじゃないかな。わざわざ事前に前売りを上の事務所まで買いに行ったよ。お作法よくわかんなかったし。

もちろんライブは最高だったので、思いの丈をアンケート用紙に書いて出したら、後日ソウルフラワー通信なるものが送られてきた。これがとても読み応えのあるもので、まあニューエストの中川さんがかなりの量の文章書いてたから今思えば読み応えあって当然なんだけど、すぐに定期購読を申し込んだ。

毎回楽しみだったのが、メスカリンとニューエスト、あとスタッフの人たちのディスクレビューだった。あの頃バンドブームで、一般教養的なロック知識のない人がいっぱいライブハウスに来てて、その人たちに向けてだったのか、いわゆる名盤定番を毎回数枚紹介してたのだ。この頃から中川さんやってる事一貫してると思う。

その中で、バルコニーレコード社長の守屋さんが「まさかこんなものが再発されるなんて」と紹介したのが、「ジェシ・デイヴィスの世界」だった。聞いた事ない名前。でも守屋さんの文章、全然覚えてないのが残念だけど、当時すごく引き込まれて、幻惑されるようなジャケとも相まって、読んですぐにCDを買った。

わくわくしてプレイヤーに入れて、出てきた最初が「レノストリートの出来事」のイントロですよ。もうね、そりゃね、夢中になるよね・・・。電気が走った。狂ったように何度も聴きましたよ。

それまでフリーやジミヘンやオールマン、レイナードと、なんだかんだでビッグネームばかり聴いてたんだけど、その向こう側に一歩踏み入れた最初がジェシエド、要するに守屋さんのおかげだったんだよねぇ。これがなかったら大して音楽聴いてなかったと思う。

守屋さんには会う事があったらお礼を言いたいと思ってもう30年以上経ってしまった。元新宿JAMのスタッフの山本くんがバルコニーレコードに行った事があって、その時にこの話して、感謝を伝えてくれ、とは言ったんだけど、多分伝わってないだろうなあ。次に山本くんに会った時はもうエッグマンの人だったし。

(2022/3/10)