はっぴいえんどかばあぼっくすのこと

もう削除されてしまったが、昨日高円寺円盤のツイッターアカウントで、はっぴいえんどかばあぼっくすのデッドストックが残り3つというツイート。

僕はルケーチのトランペッターとして数曲参加している。

それを見てふと思い立って、ルケーチでエゴサーチしてみたら、ここ数日突発的に好評ツイートが2つも。2年前のツイートにも好評なのがあった。びっくりした。

もう16年も前の事になるのだなあ。

あれは誰のライブだったか、コモンビルだったかな、渋谷のエッグマンで、オズディスク田口さんに声をかけられたんだった。

曰く、はっぴいえんどのトリビュートを作る。全アルバム、シングル集も含めて全曲、ジャケも全部トリビュートしてボックスセットにする。ライブ盤も作るので、そのために解散コンサートも再現する。よってボックスとは別に「ショーボート 素晴らしき船出」のトリビュート盤も作る。竹内くんも参加して、云々。

なんですかその壮大な計画は!話を聞くだけで燃えてきた。

その時にもう、「ライブで西岡恭蔵役やって」って言われたんだっけかな… 当時はルケーチでベース弾いてたミヤケンは、西岡恭蔵さんの息子さんの中学の同級生なので、もうやらいでかという話だった。

その他にもスタジオ盤でも1曲お願いされたので、僕は「愛餓を」をクリフォード・ブラウンのチェロキーみたいにやったら面白いかなーと考えてた。

youtu.be

聞こえてきそうでしょ?

そしたら「愛餓を」は超人気曲で競争率高し、と田口さんから返事が。さすが田口人脈、そこに集中するか!っていうね。最高だな。

で、「さよなら通り3番地」は候補者なしって事で急募してたので、特にプランもなく名乗り出て、即決しちゃった。

さてどうしたもんか。

メロディが単純なので、テクノっぽい音色でジャズファンクってのが頭に浮かんですぐにパソコンで打ち込んだ。ベースがベキョベキョベキョベキョっていう、なかなかかっこいいの。

そしたらミヤケンが「こんなタワー・オブ・パワーみたいなベース弾けるか!」って…

youtu.be

こんな感じかな…

確かにこっちはステップ入力で面白がって作ったので、やっぱ無理だわなあ…ちょっと笑った。まあスタジオで合わせようって事にはなって、合わせてる内に、ミヤケンがドラムの堀江くんに「イントロはアガルタ・パンゲアのアル・フォスターみたいに叩け」って指示した。ハイハット半開きでドシャーンドシャーン、それであの電化マイルスなアレンジが決まった。

その後ペンギンハウスでルケーチのライブがあったので早速披露、その模様を録音したものを、大会場でやったみたいなエフェクトをミヤケンがかけたのが、ぼっくすに収録されたバージョンである。

ギターソロの直前でピギャーってなるのはあれはアクシデントで、ギターのヒロポンの起こした奇跡だった。あれは超かっこよかった。

そうなると西岡恭蔵の方も自然と電化マイルスになるわけで、あの春一番のアレンジはほぼミヤケンによるものだった。最後はオリジナルのリズムになるのも多分そう。ギターのヒロポンも要請によく応えて、ワウワウが冴えまくった。村上らっぱのボンゴも超燃えた。

未だにあれは大好きで、時々これはジンタではないでも「これは春一番ではない」って曲として演奏する。

ライブ当日、リハが終わってステージを降りたら田口さんが駆け寄ってきて、「かっこよかった!」って言ってくれた。あれは本当に嬉しかったなあ。フリーボ広瀬くんは「韓国ロックみたい」って言ってくれた。

ライブは多数の出演者の入れ替えなどをこなさないといけないので、雰囲気が緊張でピリピリしてたけど、あれはいい緊張感だったな。ガチガチにあがっちゃったけど。よく目立ったトラブルもなく成功したなあと思う。田口さん大変だったろうな。

ぼっくすが出来上がって、ルケーチは人数多いので段ボール箱でいっぱいに送られてきた。それをメンバーに手渡しするってんで、みんなで新宿のしょんべん横丁に集合して飲んだ酒は最高だった。

ぼっくす、これは歴史に残るものだと思った。音もそうだし、ジャケもそうだし、なにせコンセプトがとんでもない。もっと語り継がれていいと思う。という訳で微力ながらここに記した。

何から何まで楽しかったなあ。