【レコードとわたし】Grateful Dead - American Beauty

US盤 ’83年再発、新品で多分’90年購入じゃないかなー。

さすがに音は悪くない。最初に買ったデッド。八景さん(大学のOB)に最初に買うならこれと言われて買った。

デッドは’87年の Touch Of Greyのヒットはリアルタイムで覚えている。MTVでPVが流れたのを何度か見たし、吉祥寺の山野楽器でも In The Dark のLPに店員さん手作りのポップが貼ってあった。復活、みたいな感じだったかな。

時はLAメタルな時代で自分もまだ10代の子供で、バンド名とドクロとバラの組み合わせで、ハードな出音を想像するのが自然だったけど、実際の音とのアンバランスさが印象的だった。自分のイメージが貧困に思えて、アメリカって広いなー、とか思ったな。国土じゃなくて、なんだろう、文化というか。

浪人中にアメリカンロックにどっぷりで、ワトキンスグレン出演バンドのうちザ・バンド、オールマンの2つはよく聴いてたけど、なぜかデッドは大学入るまで聴いてなかった。だから最初にこのアルバムを聴いた時は正直拍子抜けした。

2つのバンドに比べて、ドラムの音は小さくてタカタカ軽いし、全体的にロック的ケレンもないし、ゴツゴツした感じがなかった。それでもまあ結構聴いた。

まあ後日いろいろあって、ああそうだったのかってなるんだけど。そうなったらこっちのもんだ。

特にA-1の Box Of Rain、メロディに印象的なフックがあるわけでもなく、リズムの決めもなく、淡々と詞を歌い込んでいくような、さらーっと流れていく曲。これが普段ラジオでフリージャズばっかりかけてるという、メンバーで一番アヴァンギャルドなフィル・レッシュの曲ってのがいい。音楽って面白いなって思う。

って、なんかフリーボのライナーの田口さんの話みたいだね。

ライブではいい頃合いで、客席から自然と Let Phil Sing! ってコールが起きる。で、フィル・レッシュが照れながら、他のメンバーに向かって、指で空中に四角を書いて、両手の指を広げて上から下にぱらぱらーってジェスチャーして、Box Of Rain の演奏が始まる。

ああかっこいい。

八景さんに読ませてもらったレコードコレクターズのデッド特集では、このアルバムは、Working Man’s Dead でCSNっぽい事を試してみた後の続編って位置づけで、「あら本気だったのね」で始まる、小馬鹿にするようなレビューになってて、びっくりした。

日本って、ギュワーンみたいな記号としてサイケだとわかりやすい音じゃないとダメみたいで、こういうことになるんじゃないかな。Ripple のエンディングなんて、あの多幸感、最高にサイケデリックじゃないか。

レココレの過去記事をまとめた「アメリカンロックVol.1」って増刊では、このレビューは差し替えになってて、真面目なものになってた。あれ誰だったのかなあ。ちなみに増刊のものは大竹直樹氏だ。