【レコードとわたし】Derek And The Dominos – Layla And Other Assorted Love Songs

国内盤'79年再発。黄色い帯のシリーズを新品で購入。高校3年かなー。クリーム買い終わって、ブラインドフェイスも買って順番にこれ、って感じで。

リトルウィングと言えば僕にとってはジミヘンのしかもイン・ザ・ウェストだった。高校の時にやってたバンドのベース担当スポック(石川くんのあだな)が、ある日突然「けいちゃんワウ持ってるし、これできると思うんだよ」って音源を持ってきたのだ。

イン・ザ・ウェストのバージョンはコーダがあって、そこでワウが使われていて、それで最近僕がワウを買ったってんで、スポックはこの曲をやる事を思いついたらしい。

なんでこのバージョンだったのかというと、当時出版されていたジミヘンのバンドスコアに載ってたリトルウィングがこれだったからってだけなんだけど。

イン・ザ・ウェストのこの曲は、Bold As Love のスタジオバージョンよりシンプルで(だから採譜しやすくてスコアに載ってたんじゃないかな)、ソロもすごくいいんだけど、今サブスクリプションサービスで聴けるそれはまったく違う音源で、なんでそういう事するのか、と思う。遺族の意向なのだろうか。今は別のベスト盤に収録されていて、それでサブスクでも聴けるようにはなっている。

そんなわけでこのアルバムを聴く前にすでに人前でも演奏していたリトルウィングである。このドミノスバージョンのアレンジを許せるはずはなかろう。

それに限らず全編大仰だし、3本のギターの音域が全部近くてしかも高め、耳が痛くて、とても好きになれなかった。とにかく音が多くて多くて、すでにフリーの大ファンだった僕は、こんな隙間のない音楽は合わなかった。

でもちょっといい思い出も少しはあって。

前述したとおり当時憂歌団のファーストが大好きだったんだけど、憂歌団の事は、なんというのか、浮世離れしているというか、人間とは別の存在というか、どういう世界の住人なんだろうくらいに思っていた。

でもこのアルバムを買ったらなんと、憂歌団のファーストに入ってるキー・トゥ・ザ・ハイウェイとドツボ節の2曲が、ここにも入ってるではないか。偶然かとも思ったけど、2曲もかぶっている、しかもクラプトン、しかもドミノス、ロックの王道ど真ん中。憂歌団の人たちも、クラプトンを好きで聴いてたりしてたんだなー、と、なんとなく近く感じられるようになったのであった。ありがとうドミノス。

ところで我がバンドのベース担当のスポック、彼の実家はペットショップなんだけど、どういう話の流れか忘れたが、彼が「犬や猫に人間の食べ物をあげてはいけない、人間の病気になるから」と力説した事があった。最初は「へー」なんて豆知識みたく受け止めたけど、なんだか人間のエゴというか、醜さというか、身勝手さを感じてしまった。今でもこのスポックの言葉をふと思い出して、ドスンと心に重いものを感じる事がある。

スポックとは10年以上前に、高校の同窓会主催のパーティで会った。ほとんど顔が変わってなかった。高校生の頃から思ってたが、みんながいうほどスポック、つまりレナード・ニモイには似てなくて、どっちかというとエリック・バートンかロニー・レインによく似ていると思う。久しぶりに会った彼は少し歳を重ねて、ロニー・レイン度が格段に上がっていた。

今ここで言ってどうなるもんでもないけど、まあいいか。

おまけ。T.P.ぼんより。

(2022/2/21)