ゆうべ、bayfm でジンタの曲がかかったよ。
2012年、星野源のラジオでゴンドラの唄がかかった(らしい、僕は未聴)以来。ラジオだけじゃなくて、紙媒体も含めあらゆるメディアでの露出が11年ぶり。
ロビー・ロバートソン追悼ザ・バンド特集。事前にテルミン奏者クリテツさんから情報が入って、ええっと思ってタイムライン見たら上のポストが流れてきて、もうびっくり。
というわけで聴いてみた。
選曲担当の村越くんは、って村越「くん」って書いちゃってるけど実はちゃんと面識はなくて、あ、挨拶はしたかも知れない、でもその程度なんだけど、クリテツさんや石垣くんのサークルの後輩で、話してるとやたらよく名前が出るので、それでなんかもう知ってる人の気分になっており、そんなわけで村越くんって書くと座りがよいのでこのままいかせていただきます。
ほんと日本語ってめんどくせえな。
で、選曲担当の村越くんの名調子に、ぐいぐい番組に気持ちが入っていってしまった。そんなにマニアではないザ・バンド好きとしては、聴いた事がない音源ばかりでとても楽しかった。
番組の終盤、日本でザ・バンドに影響を受けたバンドって事でジンタがかかった!しかも2曲も!うれしー!
曲は「気をつけな」と「責やしないよ」という、ライブでほとんどやってなかった2曲で、おおそう来たかと。
実はこの2曲は思い出があって。
「気をつけな」、僕はちょうどその時インプレッションズとカーティスにどハマりしてて、カーティスみたいな曲をやりたくて作った曲なのだった。だから「着の身、着のまま」って歌メロがフレディズ・デッドのリフそのまんまなのである。*1
でも練習の時にもう一人の人に拒絶されまして、こうすりゃいいんじゃないの?みたいな感じでかるーくラグ・ママ・ラグみたいな曲に変えられちゃったんですな。みたいなっていうか、まんまというか。
「責やしないよ」、僕はちょうどその時ジェイムズ・テイラーの Dad Loves His Work にどハマりしてて、あのアルバムのA-1、Hard Times みたいなのをやりたくて作った曲なのだった。だからサビの「しないよーしないよー」っておっかけフレーズは Hard Times の 「 got to hold on, got to hold on」ってところに似てるのである。*2
でも練習の時にもう一人の人に拒絶されまして、これでいいじゃんみたいな感じでほいほいとデキシーダウンみたいな曲に変えられちゃったんですな。みたいなっていうか、えーと。
てな具合に2曲とも、葡萄畑の1stみたいになってしまい *3 、いやそれが悪いってわけではなく、それどころかそれはそれで名盤と呼ぶにやぶさかでないんだけど、でも僕が本当にやりたかったことではなくてですね。もうちょっとこう、距離感というかさ、まあそういうのが欲しかった。
もっと不真面目な人間なんだよね、僕は。マーブルシープ育ちだから、バンド人生。
そんな感じでバンド内の政治的権威が乏しかった僕ですが、セトリのたたき台を作る権限は慣習的に僕にあったので、ライブではあまりやってないのですよ。CD出した直後に何度かやったけど、なんか恥ずかしくてねぇ、やらなくなっちゃった。
でも「気をつけな」は、ジンタ解散してずいぶん経ってから、現・赤い夕陽の玉川さんが好きだって褒めてくれた。いわく、ゴダイゴの2ndに入ってる In The City *4 とか、ニール・ヤングの Time Fades Away に入ってる L.A. *5 と同じで、イナタイ曲調で始まるけど、途中でメロウなコードになるところが共通しててそこがいいんだそうな。
それで気を良くしたので、「気をつけな」はこれはジンタではないで、あのアレンジのまま1回やってる(追記:これはジンタではないじゃなくて、ジンタ解散中名義でした *6 )。
そんな風に自分の中では複雑な気持ちのある2曲なので、そっち来たかーと思ったけど、ザ・バンド特集だったらそりゃもうこの2曲だよなあ、と思い直したです。そりゃそうだ。
ジンタ、久しぶりに聴いたけど、英ちゃんのドラム、超うまい。なんじゃこりゃってくらい。プロでもここまで叩ける人あまりいないんじゃないかなってくらいうまい。
英ちゃんはガッド好きだけど、ラジオから聴いた印象だとクリス・パーカーに似てるかなって思った。昨日ローラ・ニーロの Smile 聴いたばかりだからかな。*7
あと、「気をつけな」のコーラスがやっぱりでかい!主旋律とコーラスがほぼ同じ音量で、CS&Nみたいに上手けりゃいいけど、なんか異様な感じなんだよなー。しかも当初はもっと大きかった。
この件、ミックスの時にもう一人の人とケンカになって、コーラスもう少しひっこめてよって頼んだけど、どうしても自分の声を大きく聴かせたかったみたいで、最終的に卓をいじるのは彼なので僕が折れたんだよね。で、次の日には寝て起きて冷静になったのか、少し下げてくれた。その時はほっとしたけど、やっぱりそれでもでかいな!
まあそんな思い出話はいいのだ。とにかくラジオで自分たちの曲をかけてくれたということがとてもとても嬉しい。
なんてったって村越くんが、ザ・バンドの特集という文脈の中でジンタを紹介したかったみたいなことを言ってくれて、すごい熱いものを感じて超嬉しかったです。ありがとうございました!
参考動画