US盤’70年代中頃の再発らしい。蝶々のレーベル。エレクトラっていうとこの印象が強い。
グループ名が長いのでISBと略すが、ISBを知ったのは、大学OB八景さんから。
大学入った最初の秋、八景さんが新入生の僕のためにボーッとする場をセッティングしてくれた。場所もBGMも彼が全部用意してくれたので、初心者でも変な具合にならずにとてもいい感じでボーッと出来たんだけど、このBGMが絶対に変な具合にならない鉄板セッティングですばらしかった。
喜多郎でおだやかに始まって、中盤でガルシアのソロ1stのB-1からB-3のスペクタクルからの The Wheel で大感動、締めが、このアルバムに入ってる Air だった。
とにかく Air は強烈で、んーんーっていうハミングのいい湯加減さに全身の毛穴が開き切った所にマイク・ヘロンの声が沁み込んでくる。なんじゃこりゃ!と。これだけで大ファンになってしまった。
その日からISBの音源を探す旅に出たんだけど、時は’90年、CDはもちろんLPの再発もなかったから、足を使って中古を探し回るしかなかった。とは言えウッドストックやビートクラブに出るくらいの人気グループなので、物は結構ある。
でも肝心な Air 収録の、この Wee Tam だけは全然見つからないんだ。なんでか。全然ない。
結果、何枚も集める事になってしまった。最初に Wee Tam見つかったら、こんなにいっぱい買ってなかったかも知れない。結局2年くらい経って見つかったんじゃないかな。長い旅だった。しかも買ってからすぐに再発CDが出た。
八景さんに、Air は「パパずれてるゥ」という映画で、みんなでボーッとするシーンで使われてて、それがとても愉快なんだ、と教わって、いつかその映画は見たいなと思ったんだけど、見る事が出来たのは日本でDVDが出た2011年だ。八景さんが亡くなってから15年が経ってしまってたので、報告が出来なくて残念だった。
映画は歌手のオーディションシーンがよくて、まだファントム・オブ・ザ・パラダイスで有名になる前のジェシカ・ハーパーやカーリー・サイモンが歌を披露するんだけど、圧巻はキャシー・ベイツだった。
キャシー・ベイツ。ミザリーのこわいおばちゃんのあの人。あの人がアコギ弾き語りで自作の歌を結構長い時間聴かせてくれるんだけど、これがすごいよかった。曲も力強かったし、とにかく歌ってる時の目にやられた。
で、Air のシーンは、自分が想像してたよりも何倍か増しで超絶爆笑シーンで最高だった。みんな見るといいと思う。そして Wee Tam を買って Air を聴こう。
ピース。まじで。
(2022/3/8)