【レコードとわたし】遠藤賢司 – 満足できるかな

‘71年オリジナル。ユニオンレコード新宿にて。定価2,000円の最初期バージョン(途中から2,200円になる)、帯付きポスター付きで結構綺麗。安くはなかったけど、再発重量盤を買うよりは安く済んだ。

エンケンを知ったのは、高校1年の時。タモリ倶楽部の「せんだエイド」の回。当時空き巣の被害にあったせんだみつおを救おうというコンサート企画で、1986年10月24日放送だったらしい。Google Map にタモリ倶楽部のロケ地をまとめてる人がいた。

タモリ倶楽部 ロケ地 - Google マイマップ

前年のライブエイドがロックだったので、こっちはフォークだっていう企画だったはず。フォークが当時 Out Of Date だった事が前提の、タモリ倶楽部らしいひねくれた企画だったんだと思うけど、僕にはその「フォーク」が真っ正面から面白く思えた。

何組か出た内、加藤登紀子エンケンはよく覚えてる。加藤登紀子は「時代おくれの酒場」をやったはず。エンケンは「カレーライス」だった。インパクトがあって、それまでのニューミュージック的なフォークのイメージがガラガラと崩れてしまった。

2番の三島割腹のニュースの所を「三浦って人がつかまったってー」と歌い替えていた。ロス疑惑のあれだ。だから、カレーライスは当時の新曲だと思っていた。

数年後の'89年の浪人中、オリジナルの音源を聴いて、当時から15年以上前の曲だと知った時、既存の曲をアップデートしていく姿勢に大いに感激したもんだった。

そう感激したまさにその年、ニール・ヤングは「この夏の中国の学生たちに捧げる」と前置きして、ずっと封印していたオハイオを解禁した。'89年、天安門事件の年。

この時もまた、既存の曲を懐メロに堕する事がないニールの姿勢に感激したもんだった。

そんなニール・ヤングエンケンの姿勢が重なって見えたところに、このアルバムの「雪見酒」でニールの名前が歌い込まれてるのを聴いて、とーっても嬉しかった。

せんだエイド、エンケンのサイトによると、ライブ自体は9月28日。寛さん友川さんなぎらと、共演が豪華だ。でも全然覚えてない。まだ高校1年だったからなあ・・・もったいない。

遠藤賢司の1986年

ピース

(2022/11/07)