【レコードとわたし】The Pentangle – Basket Of Light

UK盤’69年オリジナル。’22/6/11 ディスクユニオン新宿中古センターで見かけて、前からペンタングルのUKオリジナルはとても音がよいという話を聞いてたのでつい・・・。だんだん感覚が麻痺してきた。

僕は英国フォークはインクレディブル・ストリング・バンドから入ったので、本流のいわゆる「トラッド」はまったく知らなかった。

サイケ関係で時々登場する大学の友人のせっちゃんはISBがきっかけで仲良くなったようなもので、トラッドっていう音楽ジャンルの存在とフェアポート、スティーライ、ペンタングルの御三家はいずれもせっちゃんに教わった。

80年代末から90年代にかけて、U2のボノがアメリカ南部音楽に傾倒しつつ、アイリッシュの音楽をこきおろした発言をしてて、せっちゃんと二人でボノを馬鹿にしてたっけな。あの頃、懐かしい。今でも馬鹿だと思うけど。

で、日本でもこういう風に音楽やる人がいればいいのにね、ってな話をしてたんだけど、その頃は僕も当時のボノくらいに馬鹿だったので、赤い鳥を「翼をください」の人たちくらいにしか思ってなかった。「竹田の子守唄」や「お父帰れや」を聴いてぶっ飛んだのは言うまでもない。なんだとっくにいたじゃんか、って。

三大バンドの中でもペンタングルを一番聴いた。周りでもそういう人は多い。リズム隊のジャズっぽさがたまらなかったし、なにせギター二人の意地でもジャカジャカ弾かないぞって感じが最高だった。とにかくリフなんだよね、すごくロック的。

アコギの音がバッチンバッチンしつつグイッと鳴る感じ、どうやったらこんな音が出るんだろうって不思議でたまらなかった。アコースティックな分、純粋にヤンシュとレンボーンの技術力なんだと思ってた。それか、いい楽器使ってるとか。

ジンタの初めての録音で「通りすがり」の録音でアコギを入れた時に、もう一人の人がコンプをかけてくれて、びっくりした。グイッとなるぞ、グイッと。あとこの低音弦の感じ、あの音だ!って。

となると、今まですげーと思ってた音って、大体コンプの音だったんだなあと気付いた。ニール・ヤングの Perdon My Heart とか、ジェイムズ・テイラー の Sunny Skies とか。

でもまあコンプ感までは出たけど、やっぱりそこから先は弾く人次第なんだよねぇ・・・。それ以来かな、パコパコ言わない、卓のコンプに興味がわいたの。ドラムのペタペタ感とかにも耳が行くようになった。

散々聴いたこのアルバムだけど、やっぱりアナログはいいな。ウッドベースのうなる音、フロアタムの胴鳴り、金物の響き。こんないい音だったかなーって思った。まあCDも聴き直せばこんなんだったかも知れないけど、いいのだ。

ピース。

(2022/06/13)