【レコードとわたし】Booker Little - Booker Little

国内盤たぶん’75年再発。Discogsには年代がなかったが、同じ「Time Original Collection」ってシリーズの他アルバムはみな’75年だったのでおそらくこれもそう。’22/5/21 ディスクユニオン新宿ジャズ館で880円。

ジャズ聴き始めの頃、やっぱり幻の名盤って響きは心地良くて、トランペット好きだとやっぱりこれが気になるわけだ。

ジャズライフのトランペット特集でも、マイルスのクールなトーンはいいけどやっぱり熱さも欲しいって人はブッカー・リトルがいいよみたいな事が書いてあって、もう買うしかないでしょ、ってなわけで中古CDで安く買ってきて、いっぱいいっぱい聴いた。

アナログで買うつもりはなかったんだけど、サラ・ヴォーンを探してるうちにふっと目に入って、「オーヴァーシーズレコード」という帯のロゴにグッと来てしまって、安かったのでレジに持っていっちゃった。やっぱりいいなー、景気の悪い暗い音で景気良く高らかに鳴るラッパ。

ブッカー・リトルの名前はジャズを聴くようになる前から知っていた。大学生の時、流行通信オムで夭逝したミュージシャンの特集があって、それを本屋で見かけて衝動買いして、そこにブッカー・リトルの名前があったのだ。

調べたら’91年11月号だった。まだマーブルシープに入る前、本当にただの大学生だった頃だ。

そこでもブッカーは幻の・・・といった扱いで、ジャズを知らずともブッカーTみたいな、なんちゃらリトルってブルースマンぽい、変わった名前もあって記憶に強く残ったんだった。

他にもリー・モーガンについて、最近じゃジャズを学校で習うやつが増えやがって、でもモーガンの不良の匂いはそれと対極にあるのだ、とか、全体的に骨のある文章が多かったと思う。

中でもオーティス・レディングの記述が面白かった。いわく、オーティスは駆け出しの頃、金になる仕事というんでイギリスのバンドのゴーストライターをやったんだけど、その曲が大ヒット、自分でも思入れのある曲だったので、売れるようになってからも自分に取り返そうとするかのように毎度ライブで「サティスファクション」を歌ってたのだ、云々。

超面白い話なんだけど、’91年に読んでから今に至るまで他でそんな話は見聞きした事がない。

というか、この話、本当にこの流行通信オムに載ってたのかも怪しくなってきた。僕の記憶捏造かも知れない。

そういうわけで、流行通信オムの’91年11月号、MISS YOU 特集がむちゃくちゃ欲しい・・・楽天フリマに出してる人は見つけたが、あいにく楽天とは関わらないように生きているのだ。うーむ・・・。

ピース。

(2022/05/23)

追記:結局買いました