【レコードとわたし】The Who - Who’s Next

国内盤’86年再発。まさにこの年、新品を吉祥寺で買った。ディスクオーツカかなー。

ちょっと音がこもってる気がする。特にドラム。いい盤で聴いてみたい。でもグリン・ジョンズ仕事だからなあ、こんなもんなのかも知れない。僕のグリン・ジョンズの評価は低いのだ。

こないだ臼井ミトンがラジオでイーグルスの1stはイマイチ好きになれなくて、それはグリン・ジョンズのせいだみたいな事を言っていて、まじで同志と思った。

僕にモッズについて教えてくれたのは高校の同級生の伊藤ちゃんで、その影響でさらば青春の光を見たり、米軍コートを買ったりした。コートは大学生になるまで長いこと着てて、ボロボロになっちゃった。

フーは、吉祥寺の伊勢丹の近くの中古レコード屋にセルアウトのオリジナルが目ん玉飛びでる値段で飾ってあったのをよく覚えてる。

で、伊藤ちゃんにフーは何から聴いたらいいか尋ねたら、即答でこれだったので、迷わず買った。そしたらいきなりシンセの音でびっくり。なんか僕の思うモッズとちゃうぞ、と。

でもすぐにハマって、これはほんとによく聴いた。ストレス発散にいいんだよ。無法の世界とか。とくにバーゲンが好きだった。

無法の世界はいまだに選挙のたびに聞いて自分を癒してるよ。

愛聴し始めてしばらくしてから歌詞カードを見てみたら、バーゲン、すごかった。ロジャー・ダルトリーのところはやぶれかぶれなんだけど、ピートのパートで突然内省的になる。そもそも最初はボーカル切り替わってるの気がつかなくて、歌詞の雰囲気が変わってるの知ったら、こっち別人じゃんって気がついた。

いやートミーがどういうものかとか伊藤ちゃんには聞いてたけど、物壊すロックバンドってイメージとちょっと違うぞと思った。

ピート・タウンゼントと言えば、フリーのワイト島での話。ポール・ロジャースがインタビューで語ってたんだけど、フリーのみんなはまだ10代か20歳になったばかり。出番が終わって楽屋で休んでたら、ピート・タウンゼントが飛んできた。

あの不良のピートがすごい形相でくるからビビって、殴られるくらいに思って覚悟してたら、すごい丁寧な言葉遣いで、日本語でいうとですます調で敬語つかってる感じだと思うんだけど、それでフリーのこと褒めちぎって帰ってったんだそうな。

そのギャップがバーゲンの歌い分けのところを思わせて、ピート・タウンゼントの魅力ってこういうところだなと思った。

伊藤ちゃんはテレビマンになったところまでは知ってるんだけど、その後行方がわからない。テヅカイズデッドの人が出てきた時はびっくりしたけど、同姓同名の別人だった。元気かな。

またM-51でも買おうかなあ。でもこの年齢であのカッコやるともうただの本気で寒がりの人みたくなるな。

ピース。

(2022/4/7)