【レコードとわたし】Maxfield Parrish - It's A Cinch To Give Legs To Old Hard-Boiled Eggs

US盤'72年オリジナル。'92、3年、西新宿七丁目のアメリカンロックに強い店で発見。全く知らないバンドなんだけど、その名前でひっかかって、クレジット見たらゲストにデヴィッド・リンドレーとバーニー・リードン、そのままレジに持って行った。

正体不明なんだけど、これは本当に名盤だ。名曲ばかりだ。捨て曲がない。全部いい。よすぎるあまり人に譲ってしまったので、もう一回買った。まあ一枚確保してから譲ったんだけど。

もちろんサブスクにはないので、どうしても聴きたくなり、数年前アメリカのAmazonで注文してCDを入手したんだけど、高音がキンキンしてイヤホンで聴くのがとても辛かった。こんな音だったかなーと思ったけど、本日LP聴いたら超々いい音。これ本当に'72年のローカルバンドなのか?ってくらい。

みんなどこかで見かけたら迷わずレジに持っていくとよいと思う。

で、It's A Beautiful Dayのところで予告した、画家マックスフィールド・パリッシュの話。

高校生の頃、よく葛西図書館でレコードを借りたんだけど、棚の中身が放置気味で、当時から10〜15年くらい前のものばかり充実してた。流行り物なんか全然なかった。CDもなかったと思う。だから70年代ロック好きにはたまらない場所だった。

中でも四人囃子があったのには驚いた。当時、吉祥寺ディスクオーツカで一触即発はライナー付き帯なしで3万円。CD再発なんて誰も予想してなかった頃。それが、ここで、無料で聴けるとな!ライナーもちゃんとついてるし。

特にゴールデン・ピクニックスのライナーは、ファンクラブの会報みたいな明るい調子のもので、曲紹介も細かくかなりの分量、読み応えがあった。ぜひ復刻して欲しいんだけど、まあ無理だよなあ(追記:復刻されてました)。

そのライナーの中での名曲レディ・ヴァイオレッタの紹介が、この曲名はマックスフィールド・パリッシュという画家の作品名なんですよー、とても綺麗な青を使う画家さんなんですよー云々、まずその画家の名前のかっこよさに惹かれてしまった。マックスフィールドで、しかもパリッシュ。

誰だよそれ・・・その頃はネットもなかったので調べようもなく、とにかくその名前と、青というイメージだけを大事にとっておいた。

大学に入ってから、かみさんと二人で東急の文化村の本屋さんに行った時、そのパリッシュの画集が売っててびっくり。それでかみさんにパリッシュのこと教えたら一発で気に入って、その場で画集をお買い上げ。それは今手元にある。結婚して得したことその一。

で、件のレディ・ヴァイオレッタを見てみると、実はこの絵はそんなに青くない。パリッシュがまだミュシャとロックウェルを混ぜた感じだった頃なんじゃないかな。それでちょっとがっかりしちゃったりなんかしたりして。

その後、'95年くらいかなー。パリッシュ展があって見に行ったんだよなあ。懐かしい。目の前で見てても、霞の向こうの世界みたいだった。あと予想以上に絵がでかかった。

まあそんな事があったので、こんな名前のバンドのレコードを見つけたら、そりゃレジに持っていこうというもんであろう。オチはない。

ピース。

(2022/3/18)