【レコードとわたし】The Byrds – Farther Along

US盤’71年オリジナル。ユニオン新宿ロックレコードストアにて。

このアルバム、人気ないのか、シュリンク残りなのに格安。本当は再発ものかもと思って調べちゃったよ。得した。

世間での評価は知らぬが、僕にとっては一番たくさん聴いたバーズがこれ。なんでか好きだった。ペタペタにコンプのかかった音、特にドラムのふんばり具合。 Get Down Your Line、一聴してかっこよかったなあ。鳥肌立ったの覚えてるよ。

マーブルシープの頃、これも含めたヒゲ期バーズのオムニバステープを作って、ツアーで僕が運転する時はガンガンかけたものだ。東名高速に最高に合った。こういう音楽はこのためにあるんだなーなんて思ったよ。そのテープの中でもこのアルバムは曲数が多かった。ほんと大好きだった。

もう好きすぎて、スキップ・バッティン作のプレシャス・ケイト*1はジンタの墨西哥下りで元ネタにしてしまった。あの曲はこれと、マーク・ベノのドーナッツマン*2のがっちゃんこなのだ。決してクリップル・クリーク*3ではない。

リップル・クリーク丸出しなあれ*4はもう一人の人の趣味でああなっただけなので、ジンタ解散中やこれはジンタではないでは、元々のイメージのアレンジ*5でやっている。まあクリップル・クリークみたいなバージョンも演奏してて楽しいんだけど。

まあ今となってはいい思い出である。としておこう。

ピース。

(2024-04-17)

*1:名曲

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*2:これも名曲

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*3:貼らんでもと思ったが一応

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*4:メキシコのアレなバージョン。しかもイントロはDon't Do It・・・

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*5:メキシコ元々バージョン

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【レコードとわたし】Leon Russell – Leon Russell

US盤’70年オリジナル。ディスクユニオン通販。

Sマーク修正なしのなんと Old Masters 収録、最初の最初の版。やっと見つけたぜ。シェルターはインナースリーヴがたまごのパックの模様になってるんだけど、それが入ってなかった。そのおかげで、思ったより安かった。状態は悪くない。

僕がこれを最初に聴いたのは’89年、もちろんCDで、国内盤はまだなかったので輸入盤で買った。そのCDには Old Masters はボーナストラックとして一番最後に入ってたので、B-3でかかると、わかっててもちょっとびっくりする。

B-3に Old Masters があるってよりか、B面ラストが Roll Away The Stone だってのが、すごい違和感だ。聴き終わっても次の曲が始まりそうな雰囲気を感じてしまって、針があがるまでしばらく曲を待ってしまった。

ビールのCMで初めて曲を耳にした思い出はシェルターピープルのところで書いた通り。僕と同年代だとそういう人多いんじゃないかと思う。

改めて聴くと、音がすごい多いなあ、これ。よくまとめたもんだよ・・・。

ピース。

(2024-04-03)

2024-04-06 ジェイムズ・テイラー at 東京ガーデンシアター

生まれて初めてのJT。もうこれが最後かなー。

udo.jp

実家に帰る時に湾岸道路を通るんだけど、環二通りを通って有明あたりで左折する時、やたら待たされる時がある。とにかく人通りがすごくて、左折待ちの車で軽く渋滞になる。なぜなんだろう、ライオンキングだろうかと思ってたけど、その原因のひとつはこれだったのか、という会場に初めて行った。東京ガーデンシアター。

予約に出遅れたので、値段も高いが高さも高い席になったけど、距離自体はそんな遠くない。豆粒ってことにはならなかった。

そんで肝心のライブだが、声はしゃがれてるし、モニターに映った手も震えていたけど、まったく問題なし。本当によかった。

ネヴァー・ダイ・ヤング、ニュー・ムー・シャインあたりの新しめのところからの曲(といってももう30年前だが)が思いの外多くてそれはびっくりした。

特に Shed A Littel Light、昨今の世界情勢で、歌わざるを得なかったって感じなんだろか。この曲は’91年。湾岸戦争だったのかな。

高いところから見てたので、スティーヴ・ガッドのいつもの首振り、腰を浮かせてシンバル叩くところなどなど、しっかり見えて、ガッドファンには特等席だった。アリーナじゃ多分見えなかったんじゃないかな。

ディーン・パークスはヤマハの新しいレヴスターを使ってて、まあ音がハイファイで抜けが良くて、いかにもヤマハのいい音だった。ちょっと弾いてみたくなった。

奥さんが小澤征爾と仕事をしてたそうで、それもあって最後の You Can Close Your Eyes はオザワに捧げられた。

全ての瞬間がスペシャルだった。高かったけど、行ってよかったな。

それにしてもドラムの音。特にタム、バッチンバッチンうるさいのはなんとかならないのかなあ。ガッドのドラムが台無しだ。

2003年のニール・ヤングの武道館公演で、エレクトリック・セットでガンガン演奏してる最中にPAが全部落ちた。電源自体は生きてて、ギター・アンプ、ベース・アンプの音、ドラムの生音が武道館中に響いたんだけど、まったく迫力に不足はなかった。特にドラムの生々しさには鳥肌が立って、その気持ちはみんな同じだったようで、あの時は客席中からおおおおってどよめきが起きた。

ギターアンプツイードのデラックス、出力は12ワットくらいのもんで、パワー管を6L6に改造してるらしいけど、それでも30ワットくらいだろう。そんなパワーでも、武道館中に大迫力で響かせることは出来るんだなー。

ドラムはまあクレイジーホース曲だったからよかったんだろう。大人しめの曲だったら、やっぱり音が小さすぎたのかもしれない。それでもあの大会場での生音ドラムのかっこよさは忘れられない。でっかいライブバーみたいだった。

てな経験があるので、ドラムの音、なんで大きな会場だと(時には数百人キャパのライブハウスでも)あんなバッチンバッチンいう音にしてしまうのか、音楽業界の人はあれで納得してるのか、不思議でならない。

もっと自然な音でアンプリファイすることはできないものなのか。21世紀だというのに。

と、詮無い文句で締めてしまったが、大変満足感激感動のライブだったよ。ありがとうJT

さらば青春の光を息子と見て思っちゃった

去年の秋ごろからだろうか、息子がよくわからんけど最近のアニメだかマンガの影響で、ベスパに乗るのが憧れだと言い出した。

ただ、今売ってるベスパはデザインがナウくて、コレジャナイ感が溢れており、落胆しているのを見かねて、2023年のモッズメーデーのスクーター軍団動画を教えてあげた。

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LINEでリンクを送ったんだけど、途端に息子の部屋から「これだよ!」と叫び声が聞こえてきた。お気に召して何よりである。

まあ「ライト、多すぎと違いますか?」ともおっしゃってましたが。

そんなわけでさっきまで『さらば青春の光』を二人で見てたんだが、ジミーが裁判終わって家に帰ってきておかんに説教食らってるところでぼそっと

「実家暮らしでこれはないな・・・」

ってつぶやいて超ウケた。いやーこの映画、高校生の時に見てから何年も経つけど、その発想はなかったな、お父さん。

まあ考えてみれば、ビーバップハイスクールの登場人物はみんな実家暮らしなわけで、この映画はそんな塩梅で見ればちょうどよいのではないのか、それがモッズのリアルなのでは、なんて、この歳になって思い至ったのである。

人の親になってみるもんだなあ。

晩飯の時に息子が「M-51って、今も手に入るの?」と聞いてきた。君の家の玄関に下がっているあれはなんだね、あれは。

M-51、やっぱり男子を惹きつける普遍的な何かがあるんだろうなー。21世紀生まれでもこんなにチョロいとは。

あと、スティングが警官(ポリス)をどつくのが、なんか面白かった。今更その事に気がついたわ。

【レコードとわたし】Rita Coolidge – Nice Feelin’

US盤’71年オリジナル。ディスクユニオン通販にて。

これもアナログ買い集め開始からずっと探してた一枚。オリジナルじゃなくてもなかなか見かけない。見つかってみればそんな高い買い物ではなかった。

’89年浪人中、A&Mクラシックが黄色い帯で一気に再発された時に、ユニオンお茶の水1号店はマーク・ベノをプッシュしていて、つられて買って大いにハマったんだが、続いて出たのがこれだった。

リタ・クーリッジの名前は当時も知っていて、でもそれは普通のポップシンガーとしての認識でしかなかった。だからこのシリーズで再発されて、初めて彼女の来し方というのを知ったわけ。そりゃもうびっくりしたよ。

見ればマーク・ベノの曲を2曲もやってるしデラボニのオンツアーでやってた Only You Know And I Know も入ってるしで、これは絶対いいはずと思ってすぐにレジに持って行った。

思いの外リバーブ成分多くて、バンド編成もこじんまりしてて(デキシーフライヤーズって名前を知ったのはうんと後)、思ったのと雰囲気違ったけど、それが浪人中の気怠い空気とすごく合って、愛聴盤になった(ってこのフレーズ多いな)。

特にナイス・フィーリン、原曲のゴスペルっぽいアレンジもいいけど、リタ・バージョンのしっとり具合も最高で、スネアにかかったリバーブが部屋の広さまで映像化してくれて、そして彼女の声がいい湯加減で。イントロのギターも最高だ。

当時そんな言葉なかったけど、彼女の声はあの時の僕にとってまさに「癒し系」だった。

声といえば。聴いてるとふと寺田恵子を思い出してしまう。似てない?リタはその後日本のポップスのカバー集の仕事もしてるけど、私は嵐とかやってくれたら面白かったんじゃなかろうか。寺田恵子がゴスペル歌うのも聴いてみたいけど、そっちより可能性がありそうな気が。しないか。

当時ニール・ヤングの「時は消え去りて」はCDもLPも輸入盤ですら再発がなかったから、「過去への旅路」はこっちを先に聴いた。いい曲だなーとなんとなく聴いてたが、大学に入ってからニールのそれを聴いた時、Back To Tennessee という歌詞が Back To Canada になってて、ささやかだけど、なんか感動した。

日本の歌手は人の歌を歌う場合、性別が違ってもそのまんま歌うのが当たり前なのに対して、外国の場合は人称の性別を自分に合わせて変える。それは認識してたけど、地名など固有名詞まで自分の言葉に変えてカバーするなんて。その事にすごくロック心を感じた。仕事じゃないっていうか。

でもリタの1stのCrazy Loveのカバーは、SheがHeになるだけでなんかスカっと気合いが抜ける感じがして、違和感があったけど、それはそれで面白くもあった。摩擦音ってとても重要なんだなって思った。

「我が道を行く」もこれが初めてだったなー。原曲、あんな気合いの入った曲だとは思わなかった。

僕の親父さんは女性ジャズボーカルが好きで、よく「最後は女性ボーカルなんだよなー」みたいなことを言ってたので、リタ・クーリッジにハマった時には「あーこれで僕のロックの旅も終わったんだろうか」なんて思ってた19歳。

まあ後にマーブルシープに入った入りして、それまでまったく知る事がなかった世界がそこにはあって、それがずいぶんとひどい早とちりだったとわかったのであったよ。

これ、CD再発って日本だけなんだねぇ・・・なんてことだ。

ピース。

(2024-03-05)

【レコードとわたし】Ry Cooder – Into The Purple Valley

US盤’72年オリジナル。ディスクユニオン通販。

一番聴いたライ・クーダー。アナログで欲しくてずっといいのを探してたんだけど、いやー高い。やっと比較的お手軽なのを発見。覚悟してたけど状態は思ったよりよかった。ラッキー。

F.D.R. In Trinidad は先にヴァン・ダイク・パークスを聴いてたので、この盤のバージョンの解釈には驚いた。底抜けに明るい時事ネタソングにこんなに哀愁を乗せられるとは。

これもまたケルトナーを聴くアルバムではあるけど、ライの出すフレットにスライドバーが当たる音も負けてない。ゴトって音だけで世界が広がる。アナログだとゴトゴトいうのが楽しい。

歌いっぷりもとてもいい。後年だんだん歌い方が変わっていって、すっきりしちゃうんだよねー。

Teardrops Will Fall はジンタのスナック*1の元ネタ。ってほど似てないけど、曲を作る時のとっかかりになった。でもアリスの5枚目の「雪の音」が無意識に入ってきたんだよなあ(詳細こちら)。谷村新司恐るべし。

ピース。

(2024-02-21)

*1:ジンタ解散中バージョン もう10年も前なのか・・・ www.youtube.com

【レコードとわたし】Pat Metheny Group – Travels

西独盤’83年オリジナル。ギターレコーズ通販にて。

ターレコーズっていうギター中心の音楽専門の中古レコード屋があって、そこでメセニー特集をやってたので見てみたら、探してたこれが見つかった。US盤は結構見かけるんだけど、西独はなかなか見ない。

メセニーはこれを一番よく聴いたんじゃないかな。既発曲は当時のベストと言っていいし、未発のものもみんないい曲で、結果最高のベスト盤にもなってる。

既発曲のギターソロは、スタジオ盤だと置きに行ってる感が否めないのが、こちらではなりふり構わずでテンション高くて最高。かつゲフィン時代ほどえらいことにはなってなくて(お馴染みの弦跳びフレーズとかこの頃はまだやってない)、よく歌っててこの頃が一番好きだ。

フェイズ・ダンスのソロは聴きすぎて結構なところまで一緒に歌える(弾ける、じゃないのよ・・・)。

昔のジャズライフ上での布川俊樹・矢堀孝一師弟コンビ対談で、メセニーは最初はアレンジ面で素晴らしかったけどギターはそうでもなかった、でも途中からすごく上手くなった、相当練習したんではないかてなことを言っていて、このアルバムとスタジオ盤を比べるととても納得する。

アナログシンセというものを意識したのはこのアルバムからだったな。ミニムーグかな、ぶっとい単音フレーズとやわらかいポルタメントに心を持っていかれてしまった。スタジオ盤でも使ってるけど、やっぱりライブの方が心にひっかかる。

で、このアナログ盤だけど、針を落として、そのハイファイ度合いにびっくり。部屋の空気が変わった。ビッキビキにクリアってわけでなくて、もっとぬるっとした感じ。何度もCDで聴いてきたけど、この気分は初めてだった。

マンフレート・アイヒャー、すごいな。

あと、アナログだとひっくり返す手間が、いい感じで一区切りになって、それもよかった。CDで聴き倒した盤なので、すごく新鮮。

これでメセニーのアナログで欲しいのは揃ったかなー。ブライトサイズライフとレターフロムホームがあったら買っちゃうかも知れないけど、まあ気分は落ち着いた。アメリカンガレージは、まあ西独盤が格安で出てたら買うかな。

ピース。

(2024-01-15)